IELTのライティングには4つの採点基準がありますが、その中の一つに“一貫性とまとまり”という採点基準があり、適切な段落構成が取れているかどうかも重要なポイントです。今回はライティングの段落構成について、SI-UK・IELTS対策センターの IELTS対策指導の経験豊富なネイティブ講師による興味深いお話、“3に関するルール:なぜ5段落に分けられたエッセイが一般的なのか”をお届けします!
【IELTS攻略法シリーズ:第19回】3に関するルール:なぜ5段落に分けられたエッセイが一般的?
多くの方がエッセイを書くのが難しいと感じていますが、そこには私たちが知っておくべきたくさんのルールや形式があります。イギリス留学生活の中、英語が母国語でない環境で学んでいる留学生にとってそれはもっと難しいでしょう。あなたの母国と留学先の国では、ライティングの基準に違いがあるかもしれませんが、その違いに注意を払うことが大切です。このスタディガイドでは、なぜ西洋のアカデミックな環境では5段落のエッセイが標準とされているのかをご紹介します。
ここで重要なのは、5段落に分けることが常に可能ではないということです。例えば、とても長い文章を5段落に圧縮することは出来ないかもしれません。しかしIELTSライティング・テストのパート2では、多くの場合、この5段落の形式に従うことを期待されているか推奨されていることがわかります。シンプルにすると、通常エッセイは以下のパラグラフ(段落)で構成されています。しかし下記のようにbody paragraphは、なぜ3つなのでしょう。2つか4つではダメなのでしょうか。
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1. An introduction(導入部)
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2. A body paragraph(本文の段落)
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3. A second body paragraph (2番目のbody paragraph)
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4. A third body paragraph (3番目のbody paragraph) (多くの場合、対比)
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5. A conclusion(結論)
【 3はマジックナンバー】
3つは長い間、神秘的なつながりを持つ数字として知られていました。3は多数の宗教におけるシンボル、例えば、キリスト教の三位一体(父と子と聖霊)があります。またヒンズー教でも、創造神のブラフマー、守護神のヴィシュヌ、破壊と再生の神シヴァという三神一体が信じられています。3は北欧神話や仏教、神道においても、剣、鏡、宝石といった三種の神器を構成する大切な数であり、3は道教やユダヤ教を含む、ほとんどの宗教で重要なナンバーです。
これが何故そうなのかははっきりと分かりませんが、諸説あります。3は音楽やグラフィカルなど、あらゆるパターンを作成するために必要な最小数であり、また椅子のスツールが自立するには3本の脚が必要です。3は”父と母と子”といった家族を構成する基本の数字でもあります。結果的に3を基本として考えることは人間に生まれつき備わっているスキルという説があります。しかしこれらは今日私たちが書くエッセイにどのような影響を与えたのでしょうか。
1. “Omne Trium Perfectum” (3つに分かれているものはすべて完璧)
はるか昔、古代ギリシャの人々は話したり書いたりするときに、3人のグループで情報を提供した方がうまくいくようだと気づいていました。また3という数字は多くの戯曲や文章に使われました。それに加え人々は情報を3つに分けると、その情報を覚えやすくなることに気づき始めました。実際3つのことを覚えるときは4つか5つのことを覚えるより簡単なようです。そして不思議なことに3つの情報の方が、2つの情報よりも覚えやすいのです。これがなぜ今3つのbody paragraphが含まれた5段落のエッセイが書かれているのかの理由であり、3を使うのは人々が最もわかりやすい情報のコミュニケーション方法となりました。
2. 3のルール
情報は歴史を通して3つにグループ化され、劇のセリフや有名人のスローガンや諺にもそのパターンが使われています。例えば、
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“Veni, vidi, vici” (来た、見た、勝った) ガイウス・ユリウス・カエサル
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See no evil, hear no evil, speak no evil(見ざる聞かざる言わざる)
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Life, Liberty and the Pursuit of Happiness(生命,自由、幸福の追求)アメリカ独立宣言
もし3の法則に関するパワーをさらに証明する必要があるなら、現代の政府や政治家が私たちに覚えておいてほしい情報を、絶えず3つにグループ化していることを思い出せばいいでしょう。イギリスで子供の頃に、“Stop, look and listen”(立ち止まって、見て、聞く)と教えられました。これは “Green Cross Code”(児童交通安全規則) と呼ばれ、私たちが横断歩道を渡るときにどうすればいいかを教えてくれました。縁石のところで止まりなさい、また車が来るかどうかを見るだけでなく、見えない車が来るかもしれないので聞いてみましょう。このようにして、大人たちは子供たちが覚えていることを確認しました。その40年後でさえ、私にはこのルールが身に染みついています。
次に政治家のスピーチを聞くときは、情報を3つにグループ化するパターンを使っているかどうかしっかり聞いてみましょう。イギリスでは政治家が話すことのほとんど全てがこのパターンを使っているのでは、というほど一般的になりました。今でも新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、“Three Cs”(3つの密)“(閉ざされた場所、混雑した場所、密な接触)を避けるようにと言われています。
上記のような事柄がエッセイに3つのbody paragraph(本文の段落)が多い理由です。何故かまだ科学では解明されていませんが、人間は情報を3つのグループに分けるとより適切に処理し理解することが出来るのです。これは長い歴史の中で証明されています。
興味深いエッセイの3にまつわるお話は、いかがでしたか。 質の高いIELTS対策 講座をお探しの方は、SI-UKのIELTS対策センターで人気の IELTS対策オンライン(7月より個人レッスンのみ対面レッスンが可能です)各コースでライティングのコツや出題傾向などをしっかり学び、効果的なスコアアップを目指しませんか?
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